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アパレルの販売代行会社を設立し、どんどんブラック企業になっていた時の話
知らない人も多いと思うので説明↓
アパレル販売代行とは?
店舗運営にまつわる全ての業務を代行して引き受ける業態の事で、一言で言うと「表向きは○○(ブランド)のお店だけど運営会社は別」ってやつ。
最初はとってもクリーン営業してました。もちろん売り上げもそこそこあり、スタッフも当時同じフロアーに2店舗で6人。小さなお店だったので人員も余裕だった。休みは月8.9日、スタッフと休みを合わせて遊びに行ったりしてました。
もともと販売代行会社の社員として店長をしていて、そのお店で後に独立することになります。現在も存在する他社の事なので独立までの経緯は細かくは書きませんが、もしネタがなっかたら今度書きます。
独立当初は各店長も成長意欲が高く「社長に一生ついてきます!」なんてヤツもいた・・・
こんなはずじゃなかった・・・。
そもそも数年前から「アパレル販売員」は職業として人気は落ちていた。
ひと昔前は求人をかければすぐにキラキラした「やる気と希望」に満ち溢れた新人が入ってきたものだ。
今振り返ると、ブラック企業になってしまったのは自業自得でしょって感じで、社長としてのキャパ狭くね?って話なんですけどね・・・
当時はもうペーペーのくせにイケイケで「勢いで何とかなるでしょ」系だったので・・・
もちろん今は全然状況も経営方針も違うので当時の体験談としてどうぞ!
ブラック会社になっていくターニングポイントを交えて説明する。
・・・ある日の出来事である。
絶好調店舗だった我が社運営の2店舗が超大人の事情で閉店となってしまった。
ターニングポイント⓵突然の店舗クローズ(閉店)告知
ある日取引先のメーカー様の偉い人からTEL。
明確には言われなかったが、おそらく良い条件で出店してくれるメーカーが商業施設の本部に営業に来たのであろう・・・
当時の運営店舗はその2店舗のみ。
お店がなくなる=入金がなくなる
なので社員に給料を払えないってことになる。
ターニングポイント②代わりに近隣の店舗を任される
マジで焦ったが、全国展開のメーカーでブランドも複数あるので、クローズのタイミングで近隣の店舗を運営できることになった。
超絶好調に売り上げを上げていたのが評価された。
スタッフも店舗移籍に戸惑った様子だが、無職に比べればどうってこと無いらしい。
そして新しく始めたお店が良くも悪くもめっちゃ売れてしまう(前年度と比較して)。
この時変わらず2店舗を任されたんだけど、今度は各店舗は別の商業施設になり、少し離れてしまう。
ターニングポイント③売上が上がるにつれて店長の給料が上がっていく
売上が上がるにつれて店長の給料が上がっていく
当時は売上金額に応じての「報奨金」があって、店舗予算に対しての%に応じて社員の給料に反映させてた。(予算比105%で1万。5%ごとに+1万)
その店舗予算は前年度の売上がベース。んで、その予算に対してだから、凄い上がっていく。予算比130%だと店長は+6万とかもらえるんですよね。
それが1年とか続くんだけど、その後は自分たちが作った売り上げと戦うことになるので、予算比は必然と取れなくなってくる。
そして、6万とか5万とか報奨金がもらえなくなると、給料が下がっている感覚に陥り(基本給は1年昇給のみ)もっと給料上げろとか言い出すんです。
ターニングポイント④給料システムの見直しと法人化をする。
じゃあ、給料システム見直そうよってなって、さらに福利厚生を充実させるため、このタイミングで法人化しました。
給料は基本給+役職給+報奨金(個人予算に対して+3000円~6000円)あと職能給っていうのも作って絶頂期までとはいかないけど、それなりに安定した収入になるようにしたつもりだった。
ターニングポイント⑤専務的な位置のスタッフが辞める
法人化して給料システムも整備し、よしこれからもう一度稼ぐぞ!ってなった時に会社の2番手の人間が辞めた。信頼もしていたスタッフだったけど、理由は結婚を考えてる彼女に、「小さい会社は将来が不安だから無理。結婚したいなら大きい会社で働いてプロポーズまでに月35万稼ぐようになってて。じゃないと結婚はしないから。」と言われたので辞めますとの事だった。
当時の彼は総支給30万ぐらい(24歳)その年齢で大きい会社で35万もらえる所なんて滅多にないよ(探せばあるんですが、当時辞めさせたくなかったので)という言葉を振り切ってアパレル業界での一番忙しい時に会社を去った。「社長に一生ついてきます!」と言ってたヤツだった。
その後3年後くらいに無事結婚したらしいが、車関係の工場で働いているらしい。(月35万稼いでるかは不明)
ターニングポイント⑥求人が全然来ないまま繁忙期を迎えてしまう
とにかく求人をかけた。フリーペーパーやらネット広告やら10万以上使ったが繁忙期前で大手アパレル会社が高い時給で募集をかける。
そうすると全然人が集まらない。
2店舗間も離れているので、移動するのに方道車で30分。片方のお店からヘルプを出したりしても時間効率が悪く結局人が足りない。
忙しい。
人が足りない。
スタッフが疲弊する。
売上が取れない。
この辺から負のスパイラルが顔を出してくる・・・
繁忙期を少ない人員で乗り越えてしまったため、起こった事。
ようやく繁忙期を乗り越え前年の売り上げに行かないものの、人件費がかからなかったので、会社の利益は昨年とそんなに変わらなかった。
そして求人の募集期間も終わり、広告費が無駄になった頃、店長たちは一つの決断をする・・・。
新人がダメなら経験者を入れよう。←悲劇の幕開け
ターニングポイント⑦他店舗から店長クラスを引き抜く事に成功!しかし・・・
周辺の店舗隣のお店や同じコミュニティの人脈を使って、会社に不満のある店長がいないか探しまくった。自社に引き抜くために。
そこで超有名ブランドから1名引き抜くことができた。店長ではなかったが、スタッフ7.8名キャパのお店のサブをやっていた人材だ。
これで人材不足は解消されたかに思われたが、
そいつマジ使えない。
キャリアだけはあるが仕事ぶりは学生アルバイト以下そして向上心ゼロ・売上は全員に負けてるしすぐ隠れてタバコ吸いに行くという・・・。こんなヤツがサブって終わってますよ。遅刻も多くなってきてた。
給料に対してや会社の不満をぶつけられた挙句、「俺にはこの会社のやり方は合わない」って外で言ってたらしい。んで話し合ってそいつは辞めた。
結果、もうこの人員体制でやろうぜ!ってなった。
変な人材を雇ったせいでスタッフは疑心暗鬼になってしまい、給料もそこそこだし多少つらくても大丈夫っていう流れと会社の風潮などが出来上がってしまい、社長の自分も含めてしばらく人員を増員するための動きは特にしなかった。
当時は店長も全員独身だったし、小さい会社ならではの家業感あって結束も高かったのでサポートしあいながら運営できた。というより、その時はそういった運営方法でやっていくことを望んでしまった。
そして社員一人の平均勤務時間は220時間を超え、完全なブラック会社の爆誕である。